2026/10/08 21:24
昔のティーテーブルには、何があった?
美しいティーカップに、香り豊かな紅茶。
英国の優雅なティータイムを思い浮かべると、華やかなカップや銀のティーポットが目に浮かびます。
けれど、昔のティーテーブルには、現代ではあまり見かけなくなった、不思議な道具たちも並んでいました。
今回は、そんなティータイムを支えた3つの名脇役をご紹介します。
飲み残しの紅茶は、どこへ?
スロップボウル(Slop Bowl)

昔のティーセットには、カップやティーポットと一緒に、大きめのボウルが用意されることがありました。
その名も「スロップボウル」。
実はこれ、カップに残った冷めた紅茶や、茶殻などを捨てるための器だったのです。
新しい紅茶を注ぐ前に、カップに残ったお茶をボウルへ。
今では少し意外に感じられる習慣ですが、当時のティーサービスでは実用的な役割を担っていました。
花模様や金彩で美しく飾られたものもあり、不要になった紅茶を受ける器にまで、優雅さが求められていたことがうかがえます。
紅茶に、なぜ鍵をかけたの?
ティーキャディ(Tea Caddy)

美しい木箱に、小さな鍵穴。
これは、茶葉を保管するための「ティーキャディ」です。
英国で紅茶が広まっていった時代、輸入された茶葉は高価な品物でした。
そのため、茶葉を大切に保管し、使用量を管理するために、鍵付きの容器が使われることもありました。
木製の箱には、美しい象嵌細工や装飾が施されたものも。
内部が2つに仕切られ、異なる種類の茶葉を収納できるものもありました。
今では気軽に楽しめる一杯の紅茶も、かつては鍵をかけて大切にしまうほど、貴重なものだったのですね。
昔の砂糖は、四角くなかった?
シュガーニッパー(Sugar Nippers)

紅茶に添える砂糖といえば、角砂糖やグラニュー糖を思い浮かべますよね。
けれど、かつて砂糖は「シュガーローフ」と呼ばれる、円錐形の大きな塊で流通していました。
硬く固まった砂糖を使いやすい大きさにするために活躍したのが、鉄製などの頑丈な砂糖割りの道具です。
ハサミのような仕組みで、硬い砂糖を少しずつ割り取っていました。
FEELPORTでも、現代のものよりひと回り大きいアンティークのシュガーボウルをご紹介することがあります。
そんな器を眺めていると、当時の砂糖の使われ方にも興味が湧いてきます。
また、砂糖を割るための頑丈な道具とは別に、小さくした砂糖をつまむための、装飾的な銀製の道具も使われていました。
紅茶に砂糖をひとつ加える。
そんな何気ない動作の裏にも、今とは違う暮らしの風景があったのです。
ティーテーブルを彩った、小さな名脇役たち
飲み残しの紅茶を受けるボウル。
大切な茶葉をしまう、鍵付きの箱。
硬い砂糖を割るための道具。
どれも、当時の人々が紅茶を楽しむために使っていたものです。
華やかなカップやティーポットだけでなく、こうした小さな道具に目を向けると、昔のティータイムが少し身近に感じられます。
アンティークの魅力は、美しい装飾だけではありません。
そこに込められた暮らしの知恵や、時代ごとの習慣を知ることも、楽しみのひとつなのだと思います。
今週末は「ティーテーブルの名脇役」
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※掲載画像は、当時のティータイムや道具をイメージしたイラストです。
