2026/09/18 17:00
華やかなドレスをまとった淑女や、
花を手にした女性たち。
今では飾り棚やキャビネットで楽しまれることの多いフィギュリンですが、その歴史をたどっていくと、18世紀ヨーロッパの華やかな宴の席へとつながります。
― アンティークの小さな話 ―
かつてヨーロッパの宮廷や貴族の宴では、
食卓を「砂糖で作った彫刻」で美しく飾る文化がありました。
人物や動物などをかたどった砂糖細工は、食卓を彩る特別な装飾。
ところが18世紀、ヨーロッパで磁器の製造が発展すると、その風景が少しずつ変わっていきます。
1730年代後半、ドイツの名窯マイセンでは、小さな磁器製のフィギュリンが盛んに作られるようになり、宮廷や貴族のデザートテーブルを彩るようになりました。
そこに表現されたのは、
美しい衣装をまとった男女や、音楽、舞踏、仮面舞踏会など、当時の人々を取り巻くさまざまな世界。
やがて、その磁器人形の文化は英国にも広がります。
18世紀には英国のさまざまな窯でもフィギュリンが作られるようになり、裕福な人々の暮らしを彩る装飾品として親しまれていきました。
そして英国のフィギュリンを見ていくと、王室とのつながりも見えてきます。
英国の名窯では、王室の結婚や記念すべき出来事を、磁器のフィギュリンとして残してきました。
たとえば、1840年にアルバート公と結婚したヴィクトリア女王。
Coalport(コールポート)は、そのロイヤルウェディング150周年を記念して、花嫁姿の女王をフィギュリンにしました。
また、のちの英国王ジョージ6世と結婚したエリザベス王太后の花嫁姿も、結婚70周年を記念した作品として残されています。
もちろん、ダイアナ妃のフィギュリンも作られていますよ!
華やかなドレスの美しさだけでなく、
英国王室の歴史の一場面まで、小さな磁器の姿に残していく。
そう思って眺めると、一体のフィギュリンの向こうに、
その時代の物語まで見えてくるようです。
そう考えると、フィギュリンは単なる「陶磁器のお人形」ではないのかもしれません。
ドレスの形、帽子、手にした花、ひとつの仕草。
その小さな姿には、
作られた時代の装いや憧れ、暮らしの一場面が映し出されています。
「この女性は、これからどこへ向かうのだろう」
「どんな一日を過ごしていたのだろう」
そんなふうに想像しながら眺めるのも、フィギュリンの楽しみ方のひとつです。
今週末は、そんな物語を感じさせてくれる
フィギュリンたちを集めました。
お気に入りのカップの隣に。
本棚やキャビネットの小さな一角に。
一体のフィギュリンから始まる、小さな物語をお楽しみください。
9月18日(金)〜20日(日)の3日間、
対象のフィギュリンを週末だけの特別価格でご紹介いたします。
暮らしに、ちいさな物語を。
